5月のGoogleアップデートで大打撃を受けた人は少なくないでしょう。
僕もそのうちの一人です。
僕の3つのブログは約80%が検索エンジンからのアクセスなので、
今回のアップデートはかなり痛かったです。
この出来事を機にSEO対策を捨てて、
SNSマーケティングに軸足を移した人もいると思います。
今日はSEO対策とSNSマーケティングの将来性について、
考えてみたいと思います。。
企業優遇のアルゴリズムアップデート
今回のアップデートは主に企業を優遇するためのアップデートだと言われています。
企業を優遇する風潮は今に始まったことではありませんね。
もともとはYMYLのジャンルだけ企業が優遇されていたのが、
より幅広い業界においてそのルールが適用されるようになったということです。
それだけ個人の情報発信の信頼性を疑われているということでしょう。
過去には好き放題やって詐欺的な行為を働く人間が多かったから、
個人に対してこのような仕打ちを受けることは仕方ないと言えます。
しかし、「企業である」という理由だけで、
無条件に個人よりも優遇されるという仕組みを作ったのは、
Googleらしからぬ判断だったと思っています。
そもそもYMYL問題の発端となったのはWELQ問題でしたよね。
あのサイトを管理していたのは、名の通った大手企業だったはずです。
しかも「医師監修」というお墨付きまでついていました。
今のアルゴリズムなら真っ先に上位表示されそうなサイトですね。
(大)企業であるからといって信頼できるかと言われれば、
必ずしもそういうわけではないということです。
そして、何より問題なのは企業というのは営利団体であるということです。
彼らにとって重要なことは利益を出すことであり、
真実を伝える事ではありません。
自社にとって都合の悪い情報はあえて発信しないでしょう。
(隠ぺいではなく発信しないだけなので罪ではない)
そのサイトの情報に果たしてどこまでの信頼性があるか甚だ疑問です。
(個人よりはマシという判断なのかもしれませんが)
そういう企業サイトばかりが上位表示されるようになったら、
情報に偏りが生まれます。
それはユーザーファーストと呼べるでしょうか?
力を持つものだけの特権
この企業優遇思考が助長されると何が起こるか?
テレビ全盛時代と同じことが起こる可能性が高いです。
インターネットがなかった時代、
情報ソースとして絶対的な権力を持っていたのはテレビでした。
当時はテレビか新聞ぐらいしか世の中を知る術がなかったからです。
テレビ局や新聞社など力のある者しか情報発信者になれなかった時代です。
仮にテレビ局や新聞社が情報操作をしていたとしても、
人々はテレビや新聞の情報を信じるしかありませんでした。
しかし、インターネットの普及によって個人も情報発信をできる時代が訪れます。
仮にテレビで情報操作が行われていたとしても、
個人の情報発信によってそれが真実でないと暴かれる時代になったのです。
ネットがない時代に力なき個人が声を上げたとしても、
その声の届く範囲は狭く、権力によって簡単にもみ消されてしまいます。
ネットの普及によって、テレビ(新聞)と個人のパワーバランスが変わりはじめてきたのです。
大多数の人は昔の名残でいまだにテレビの情報を鵜呑みにしていますが、
そういうスタンスでいる限り、いつまでたっても「扇動される側」のままです。
Googleによる企業優遇が進められると、
これに近い現象が起こることが予想されます。
力のある企業だけが発言力を持ち、
それらの企業によって情報操作される可能性があるということです。
もし上位表示されている企業が自社に都合の悪い情報を隠していて、
その真実を個人発信者が伝えようとしても、
検索順位を下げられてしまったら一般ユーザーの目に触れることはありません。
Googleが最も重視する「情報の多様性」が損なわれてしまうということです。
検索エンジンは真実と嘘を見抜くことができない
今の検索エンジンのテクノロジーでは情報の真偽まで見抜くことはできません。
数年前にアメブロがアフィリエイトを解禁したことがありますが、
その時に「アメブロ アフィリエイト」で検索してみたことがあります。
(現在アメブロは制限付きアフィリエイトのみ許可されている)
そのとき検索1ページ目に表示された情報のうち、
2つのサイトは「アメブロはアフィリエイト禁止」という古い情報のままでした。
まあ、その他のサイトが「アメブロのアフィリエイトが解禁」という情報を発信しているので、まともなユーザーならその情報が正しいと判断できるから特に支障はないでしょう。
問題なのは、検索エンジンに情報の真偽まで判断する能力はないということです。
ユーザーのことを一番に考えるのであれば、
嘘の情報が上位表示されるのは何としても避けなければなりません。
感想や個人の見解というものは正解が存在しませんが、
今回のアメブロのような「事実」には正解が存在します。
つまり、そこには多様性が求められていないということです。
多様性が求められるのは様々な角度から物事を判断する必要がある場合です。
かつての人々がテレビの情報に絶大な信頼を置いていたように、
現代の人々はネットの情報に信頼を置いています。
検索して出てきた答えがまさかの嘘であるとは思わないわけです。
情報の真偽を見抜くまで技術が進歩していないということは、
企業サイトが真実でないことを発信しても見抜けないということです。
結局「力のあるもの」だけが情報発信者となるということは、
テレビが絶大な権力を誇っていた時代に
逆行しているような気がしてなりません。
まとめ
本当はSNSマーケティングについても語ろうと思ってましたが、
長くなりそうなのでそれはまた別の機会にします。
いろいろとお話ししてきましたが、
忘れてはならないのはGoogleも営利企業であるということです。
彼らの本当の顧客はユーザーではなくスポンサーです。
だから、スポンサーに対して便宜を図ることは、
当たり前というかしょうがないことではあります。
我々はGoogleの提供する便利なサービスを無料で利用させてもらっているのだから、
彼らの動向にまでとやかくいう筋合いはありません。
成功する人間というのは与えられた環境でベストを尽くします。
成功できない人間というのは、人のせいにしたり環境のせいにしたりします。
僕たちはユーザーでもあり発信者でもあるので、
両方の側面から時代を見る必要があります。
今回の改変が人々を幸せに導く決断になることを切に願うばかりです。