今年の10月にRankbrain以来「5年ぶりの飛躍」と呼ばれるアルゴリズムが導入されました。
その名もBERT。
詳細は後程説明しますが、
検索クエリの約10%にインパクトを与えると言われています。
もともとは英語のみに適用されるアルゴリズムだったのですが、
12月10日に日本語を含む約70言語でも運用を開始したとGoogleより発表がありました。
BERTとは一体何で、我々にどのような影響を与えるのでしょうか?
今日はSEO業界に革新をもたらすBERTの真相に迫っていきたいと思います。
参考ブログ
Googleの公式ブログ(英語)にBERTについての詳細が記載されています。
こちらの情報をもとに、この度日本語でも運用が開始されたBERTについて理解を深めていこうと思います。
BERTとは?
BERTとはBidirectional Encoder Representations from Transformersの略で、
検索クエリ(キーワード)に対して適用されるアルゴリズムです。
Rankbrainと非常に似ていますが、Rankbrainはクエリだけでなくコンテンツにも適用されるのに対し、BERTは検索クエリのみに適用されコンテンツには影響がありません。
音声検索の普及により、ユーザーはキーワードの羅列ではなく文章で検索をする機会が増えました。
今までの技術では、文章形式の検索クエリを人間と同じように把握することができませんでしたが、
このBERTの登場により、人間と同じように文脈を理解することができるようになったのです。
このプロセスを自然言語処理と言います。
BERT導入前と導入後の変化
では、BERTの導入により具体的にどのような変化が起こっているのか、BeforeとAfterを比較してみてみたいと思います。
こちらが「2019 Brazil traveler to US need a VISA」というクエリで検索したときの、
検索結果に表示されたページのビフォーアフターです。
このクエリを日本語に翻訳すると、「2019年にブラジル人旅行者はアメリカに行くためにビザの取得が必要か?」という内容になります。
この問いに対し、今までのGoogleの検索結果に表示されていたのは、
「アメリカ国民がブラジルにビザなしで旅行できるか?」というページでした。
英語は「て・に・を・は」が存在せず、語句の配置によって主語や目的語を区別する言語です。
だからこそ、こういう文章形式の検索クエリは誤認識されやすくなってしまいます。
アメリカやブラジルといった単語単位でクエリを認識していて、
文脈やニュアンスは考慮されていませんでした。
そのため、このようなとんちんかんな検索結果が表示されてしまうのです。
BERT導入後の検索結果は、「ブラジルのアメリカ領事館・大使館」のページが表示されているので、クエリに対する適切な答えであると言うことができます。
BERTがSEOに及ぼす影響は?
冒頭でBERTは検索クエリの10%にインパクトを及ぼすとお話ししました。
しかし、先ほどもお伝えしたようにこのアルゴリズムは「検索クエリ」に対して適用されるため、ブログを管理している我々に直接影響を及ぼすものではありません。
そのため我々ができる具体的なSEO対策はありません。
今まで以上に検索エンジンの精度が向上しているので、
よりユーザーのニーズにピンポイントで応えることができるサイトが、
上位表示されやすくなることでしょう。
今まではキーワードツールなどでキーワードだけを拾うのが主流でしたが、
今後は文章形式のクエリまで読み取る必要が出てくるかもしれません。