僕は本記事を書いている時点で、26冊の電子書籍を出版しています。
しかし、最近はKindle出版をやらなくなりました。
それよりもAudibleやUdemyでコンテンツ販売をやる方が良い、と考えているからです。
僕は電子書籍出版の印税だけで100万円以上稼ぎましたが、印税収入は近年急速に減少傾向にあります。
そのため今後電子書籍を出版するかどうかは未定。
もう見切りをつけて撤退することも考えていましたが、著者セントラルを確認すると約300名のフォロワーがいることが判明。
たくさんの人が今後の作品も楽しみにしてくれているようなので、完全撤退はやめてたまに出版する形にしていくつもりです。
- 荒れまくるKindle出版市場
- AIの登場でゴミ本量産がますます加速
- 不正やインチキの温床と化すKindle
- ゴミ本量産→ユーザー離れ
- 失墜するベストセラーの価値
- 社会的イメージの低下
- 今後のKindle市場の動き
- 今後の対策
- まとめ
荒れまくるKindle出版市場
僕が初めて電子書籍を出版したとき、個人でKindle出版をしている人はまだまだ少ない状況でした。
僕は電子書籍出版に関する書籍を合計8冊出版していますが、当時はこのジャンルの本を複数冊出版している人はわずか数名。
Kindle出版ノウハウ本自体かなり少なかったです。
「Kindleはカンタンに出版できて不労所得化できる」
それを知った人が多いためか、参入者が急激に増えてしまいました。
もはやブログ感覚で出版できる状態に。
その結果、質の低いゴミ本が量産される結果になってしまったわけです。
The E-Myth RevisedがUSのKindle Unlimitedで無料だったので日本版でも探してみたら無くて、ビジネスカテゴリには副業とか株とかFXとかTwitterマーケティングとかゴミみたいな本ばかりが並んでてこれが日本の市場のニーズなのかとオワコン感を覚えた
— どせいさん🇲🇾🇹🇭 (@otemfbkmllbtxhv) May 7, 2023
kindle unlimitedやめてscribdに課金したほうが有意義な気がしてきたわ。。英語わからんけど翻訳しつつでもこっちにある資料の方が意味があるものが多そう、ゴミみたいなビジネス書ばっかりやんKUで読める本
— ちんたら野郎 (@kondogchan) June 24, 2023
Kindle Unlimitedがゴミで溢れており、「これがAIによる攻撃……」という気持ちになっています
— John Bull (@kcirevam2) June 21, 2023
AIの登場でゴミ本量産がますます加速
ChatGPTの登場により、よりカンタンに(ラクして)電子書籍を量産できるようになったため、出版数が急速に増加しました。
仮に質の低い本だったとしても、母数が増えれば自分の本が埋もれる確率は上がります。
ChatGPTが流行りだしたあたりから、KENPの収益がガクンと落ちました。
それは「読み放題ですら読まれなくなった」ということを意味します。
その理由として考えられるのは、「(埋もれて)見つけてもらえなくなった」ということ。
Kindleは出版後約1ヶ月はブースト期間があるので、新しく出版される本の数が増えれば、自分の本は検索上位に表示されづらくなります。
ChatGPTを使えばたくさん出版することはできます。
しかし、コンテンツの質が上がるかといえばそんなことはないのです。
不正やインチキの温床と化すKindle
Kindleにはガイドラインが存在し、レビューの取引などは禁止されています。
「レビュー書いてくれたら〇〇プレゼントします!」
このように相手に便宜を図ることによってレビューを依頼することは、ガイドラインに違反します。
相互レビューもNGです。
僕も何度かAmazonと話をしたことがありますが、取り締まる様子はまったくなく野放し状態。
僕がKindleを見限ったのもそういうところが大きいです。
「LINEなどでコミュニティを作って仲間内で忖度レビューをつけまくる」
こういう本も多い。
これはアウトとは言えないかもしれませんが、結局こういう本に高評価レビューが集中することになってしまいました。
(加担している人は自分のやっていることを考えよう)
すべてではありませんが、こういった本の中には「ゴミ」と読んでもいいようなクオリティの低い本も結構あります。
ゴミ本量産→ユーザー離れ
ゴミ本が増えすぎたことにより、Kindle Unlimitedを解約するユーザーも結構います。
Kindle Unlimitedゴミしかないので解約した
— てーる (@Voltaire220) October 31, 2021
Kindle Unlimited キャンペーン価格になるたび登録してその度によし相変わらずゴミみたいなラインナップだなって確認して解約する
— tk (@tk92241159) May 5, 2020
Kindle出版で稼ぎにくくなっているのは、以下のような現象が起こっているからです。
- ゴミ本が増えることで自分の本が埋もれる
- ゴミ本が増えることで読み放題ユーザーが減る
KUユーザーのライフタイムバリューはかなり大きいと思うのですが、Kindleはユーザーの流出などお構いなしで対策する気はない模様。
ユーザーファーストの目線を失ったKindleは凋落の一途を辿るものと思われます。
失墜するベストセラーの価値
Kindle出版サポーターなる肩書も登場し、「ベストセラー確約します!」ということをウリに自分のサービスを売っている人もいます。
ベストセラーは不確定要素が多いため、確約することなど普通はできないはず。
それを「確約する」と断言しているということは、そこに何かしらの人為的操作(=不正またはヤラセ)があるということを意味しています。
「誰でもとれるベストセラーに価値なし」
むしろ逆効果になることだってあるんです。
「こんな本がベストセラー(しかも何冠も)取れるはずがない」
と思われて信用を落とすからです。
取締りもまともに行われず、やりたい放題の無法地帯。
一昔前の情報商材販売サイトのようになりつつあります。
最大瞬間風速的にベストセラーをとっても、印税アップにはほとんど効果がありません。
質の低い本はすぐに読まれなくなるからです。
それで儲かるのは著者ではなく、Kindle出版サポーターかそのサポーターを養成している塾の主催者です。
もしあなたがまだKindle出版をやったことないなら、お伝えしておきます。
「ベストセラー取ったら不労所得がガッポガッポ」
なんてことは基本的にありません。
そういう甘い誘いに乗って高額塾に騙されないようにしましょう。
社会的イメージの低下
このような無法地帯で質の低い本ばかりが増えると、ユーザー離れにつながることが予想されます。
この方のようにKindleの電子書籍に対してマイナスなイメージを持っている人は、他にもたくさんいるでしょう。
なぜこのようなことになってしまったかというと、「著者が儲けるためだけに書かれた本」がたくさんあるからです。
価値提供する気などサラサラなく、読み手の気持ちなど完全に無視。
そういう本が山のようにあるのです。
たとえ無料だったとしても、そういうゴミ本を読まされることは「時間の無駄」になります。
今後のKindle市場の動き
まだしばらくKindle出版ブームは続くものと思われます。
その後に予想される流れとしては、
①超レッドオーシャンになる
↓
②全然稼げない人が続出
↓
③「Kindle出版=儲からない」という認知が進む
↓
④Kindle出版する人が減る(落ち着く)
といった感じになると予想しています。
質の低い本は時間とともに自然と淘汰されていきます。
④の段階になれば質の高い本が読まれる(=稼げる)ようになると思いますが、その状態に至るまでにはまだまだ時間がかかりそうです。
今後の対策
我々個人出版者が今後取るべき対策としては、
- 別媒体を使う
- オーディオブックを出版する
- 集客目的のみ出版する
といったものがあげられます。
別媒体を使う
楽天KoboやGoogle Playでも電子書籍を出版することができます。
読み放題はありませんが、ライバルの数が圧倒的に少ないのが大きなメリット。
Kindleではほとんど読まれない(見つけてもらえない)本でも、楽天なら売れるといったケースもあります。
印税はKindleと同じく70%なので収益性も悪くないです。
オーディオブックを出版する
オーディオブックは参入者が圧倒的に少ないブルー・オーシャンです。
コンテンツ作成のハードルは上がりますが、市場は年々拡大しており非常に将来性のあるマーケットです。
オーディオブック出版についてはこちらの記事をご覧ください。
集客目的で出版する
印税で稼ごうとするのではなく、集客(認知・信頼構築)のために出版するのであれば、Kindle出版はまだまだ有効です。
たった1人しか読んでくれなかったとしても、その一人が高額商品を買ってくれたり、長期的リピーターになる超優良顧客になる可能性もあります。
Kindle出版そのものの収益は低くても、トータルで考えると大きな収益になります。
ただし、「価値の高い本を出版する」ことが大前提となります。
前述したようなゴミ本では、信用を落とすことになりかねないからです。
電子書籍で集客する方法を無料で公開しています。
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まとめ
無名の一般人がKindle出版の印税だけで稼ぐのはかなり難しくなりました。
ブームが落ち着けば印税だけでも稼げるようになると思いますが、まだまだ時間がかかりそうです。
しかし、集客や信頼構築のためであれば、まだまだKindleは使えます。